「認めるわけには、いかなかったでおじゃる。我らは決して、劣ってもいないし、惨めでもないと」
だから、反発した。
徹底的に抵抗した。あがいた。
そして、全てを壊しかけ
傷付け
失いかけ
そこまでして・・・・・・やっと気付いた。
「結局は自分達が一番、自分自身を『劣って惨めな存在だ』 と認めてしまっていた事に」
自分達が劣っていると思ったからこそ、『いや、そんな事はない』 と抵抗した。
自分達が惨めな存在でしかありえないこの世界を、壊そうとした。
自分達よりも上に立つものを、傷つけ、消し去りたかった。
そう・・・・・・
認めていなかったのは、誰よりも自分自身。
全ては、自分の内にあるものだったのに。
恥じるべきではなかった。
自分自身を卑下するべきではなかった。
そんな事をするひまがあるなら、胸を張るべきだった。
誇りを失い、自分達だけの世界で生きる者など、誰が認める?
自分ですら、認めぬ者を。
真に自分を信じ、誇りを持っているのであれば・・・・・・
「小さな世界でしか通用せぬ道理を、凶器のように振りかざしはせぬでおじゃる」


