神様修行はじめます! 其の四


道理であると、信じていた。


哀れな自分たちにこそ、道理があると。


それを疑うべくも無かった。


いや、疑うわけにはいかなかった。


疑えば・・・・・・認めることになるから。


自分達一族が・・・・・・


「自分達が、よそ者に比べて、劣った惨めな存在であることを」


「なに!?」


島民全員が、一斉に色めき立った。


「貴様! それはおれ達島民が、劣った惨めな存在だって言いたいのか!?」


「てめえ、絶対に許さないぞ!」


「あの時、麻呂は里緒殿の言った言葉を聞いていたのでおじゃる」


「おい! 聞いてるのか!? 無視するな!」


「今でも覚えておじゃる。里緒殿は、こう言ったでおじゃる」



『命令されてた自分達が、命令を下す立場になる。

その小気味良い爽快な気分を味わって、高笑いしたいだけ。

あんた達は、ただ偉ぶりたいだけだ』



「・・・・・・・・・・・・!」


途端に島民たちは、ぐぅっと黙り込んでしまった。


何か、固くて大きな物でも飲み込んでしまったかのような表情を見せる。


それはまるで、不意打ちの痛みに戸惑っているようだった。