あちら側の世界から、『よそ者』扱いされてしまった彼らにとって・・・
この線引きは、まさにプライド。
決して譲れないものなんだ。
ジリジリと島民たちが、こちらに向かって身構えながら間合いを詰めてくる。
険しい表情には悪意や敵意が満ちていた。
あたし達を捕らえるつもりだ。
いけない、門川君を守らなきゃ!
こんな事態を引き起こしてしまったけど、せめて、自分のやるべき事はやらなくちゃならない。
・・・・・・せめて・・・・・・
せめて、あたしひとりの犠牲で済ませなければ!
「みんな、お願い待っ・・・!」
「・・・さぞや、気持ち良いでおじゃろう?」
あたしの声に被さるように、マロさんの沈んだ声が聞こえた。
(・・・・・・マロさん?)
マロさんは治療中の主さんとしま子を見守りながら、ポツンとひとり座り込んでいる。
こちらに、背を向けて。
彼の言った言葉の意味が分からずに、みんながその背中に注目した。
気持ちいいって、なにが? どういう意味?


