「そ・・・そんなの嫌だ!」


あたしは必死に首をブンブン横に振って拒絶した。


「あたし、絶対に結婚なんかしない!」

「なぜだ?」


覆いかぶさるような因業ババの声がする。


「なぜ拒絶するのだ?」


「なぜって、じゃああんたは、命令されたら誰とでもホイホイ結婚するわけ!?」


「ああ。するとも」


「そうでしょ!? とてもじゃないけど結婚なんて・・・」



・・・・・・・・・・・・は?


あたしは口をパカリと大きく開けた。


因業ババは当然の顔をして言い切る。


「命令が下されたら、どんな相手だろうが受け入れて結婚する。それが常識だ」


そ・・・・・・


「それのどこが常識よ!?」


あたしは床をドンッと踏み鳴らして叫んだ。