張り合うように彼が浄火に反論する。
「だが彼女は、僕の大切な従者だ。今までも、そしてこれからもずっと」
「・・・里緒は、従者か?」
「ああ、そうだ。僕達はずっと仲間だ」
「ずっと仲間、ねぇ」
浄火がチラッとあたしに視線を流す。
その意味深な視線に、あたしはドキッとして反射的に視線をそらした。
・・・まさか浄火、あたしの門川君への気持ちに気付いてる?
そしてあたしと彼との間の、噛み合わない関係に気付いてる・・・?
「浄火君、今の状況を説明してもらえないだろうか?」
門川君のその言葉に、浄火の視線が彼の方へ戻った。
「僕の仲間は決して、他者に対して礼を失するような人物ではないのだが・・・」
しま子や、主さん。あたしと、お岩さん。
それぞれを順に見ながら、門川君が問いかける。
「島の中で何か、手違いでもあったのだろうか? ならばぜひ誤解を解きたい」
「手違い!? 誤解を解くだと!?」
浄火が口を開く前に、戌亥が口を挟んできた。
「こんなバカでかい異形でおれ達を脅しておいて、誤解を解く、もクソもないもんだ! 卑怯者め!」
氷龍を指さし、堂々と戌亥は訴えた。
・・・・・・微妙に浄火の背後に回って。
どっちが卑怯なんだかまったく。


