神様修行はじめます! 其の四


「結界を張って術式を安定させまする。麻呂にお任せあれ」


しま子の背後には、平安衣装に身を包んだマロさん。


素早く両手で印を組み、慣れた様子で結界術を発動している。


そして・・・・・・


その後ろに・・・・・・。


「君はまた、自分で収拾できもしない騒ぎを巻き起こしているのか?」


氷龍の背にスッと立つ、姿勢の良い人。


「それもこれも、君が僕のそばから離れたせいだろう」


ああ、あの白い羽織袴。白い足袋。


「深く反省したまえ。・・・天内君」


白地に黒く『門』と『川』の模様が染め抜かれている、高貴な文様。


ここ一番の、門川当主の正装に身を包んだ・・・・・・


「門川・・・君」


あたしの胸は、彼のいつもと変わらぬ冷たい口調にぎゅうっと熱くなる。


今、この場で・・・


彼が当たり前のように、いつも通りの言葉をかけてくれたことが・・・


嬉しくて・・・・・・。