あたしは奇声を発して浄火に飛びかかり、体の上に馬乗りになった。
そして両手で浄火の首を絞めた。
十本の指に、体温と汗ばんだ皮膚の感触を感じる。
その生々しさを物ともせずに、あたしは強張った両手にぐいっと力を込めた。
「アマンダーーー!」
お岩さんが体当たりするように飛び込んでくる。
あたしの両手をつかみ、必死に揺さぶって絶叫した。
「やめてアマンダ! やめてー!」
「うああぁぁぁーーー!」
ノドも裂けよとばかりに、あたしは叫んだ。叫び続けた。
浄火はギュッと顔を歪め、歯を食いしばっている。
身動きもせず。抵抗もせずに。
首を絞められるがままに絞められ、耐え続けるその姿が・・・。
・・・・・・しま子の姿に、重なった。
(しま・・・子・・・)
浄火の顔にボタボタッと雫が何滴も上から落ちてきて・・・
あたしは、それが自分の涙なんだと気が付いた。
手が、震えて。
指から力が抜けて。
声が枯れ。
精も根も尽き果て、あたしは横倒れに倒れ込んだ。
そして・・・・・・
泣いた。


