放せ! 放せ! この手を放してしま子!
みんな! 浄火! 違うの! 違うのよ!
なんとか意思を伝えようと、暴れながら口を大きく開けてパクパク動かした。
ところが、その行為が余計に皆の緊迫感を強めてしまった。
「お、おい! あの娘、苦しがっているぞ!」
「あのままじゃ窒息死しちまう!」
「いやあ! アマンダー!」
「里緒! ・・・いますぐ助ける!」
・・・・・・違うぅーーーーー!
あたしは泣きながら、心の中で全力で否定した。
首を横に振ろうにも、襟首を押さえられてるからそれすらできない。
頭がパニック状態になって、全身から冷や汗とあぶら汗がドッと噴き出た。
しま子が・・・しま子が殺される!
そんなの嫌! 嫌ーーー!
成すすべも無くボロボロ泣きながら、狂ったように暴れるあたしを、しま子はじぃっと見つめ続けていた。
いっときの時間すらも惜しいと言うように。
許される最期の一瞬まで、あたしを見ていたいんだと言うように。
あたしはしま子を見つめ返しながら、持てる力の全身全霊で訴えた。
しま子・・・! こんなの嫌だーーー!
「・・・・・・・・・・・・」
しま子の目がニコリと優しく微笑み、答えた。
『ううん。これで・・・いいんだよ』


