神様修行はじめます! 其の四


放せ! 放せ! この手を放してしま子!


みんな! 浄火! 違うの! 違うのよ!


なんとか意思を伝えようと、暴れながら口を大きく開けてパクパク動かした。


ところが、その行為が余計に皆の緊迫感を強めてしまった。


「お、おい! あの娘、苦しがっているぞ!」


「あのままじゃ窒息死しちまう!」


「いやあ! アマンダー!」


「里緒! ・・・いますぐ助ける!」


・・・・・・違うぅーーーーー!


あたしは泣きながら、心の中で全力で否定した。


首を横に振ろうにも、襟首を押さえられてるからそれすらできない。


頭がパニック状態になって、全身から冷や汗とあぶら汗がドッと噴き出た。


しま子が・・・しま子が殺される!


そんなの嫌! 嫌ーーー!


成すすべも無くボロボロ泣きながら、狂ったように暴れるあたしを、しま子はじぃっと見つめ続けていた。


いっときの時間すらも惜しいと言うように。


許される最期の一瞬まで、あたしを見ていたいんだと言うように。


あたしはしま子を見つめ返しながら、持てる力の全身全霊で訴えた。


しま子・・・! こんなの嫌だーーー!


「・・・・・・・・・・・・」


しま子の目がニコリと優しく微笑み、答えた。


『ううん。これで・・・いいんだよ』