(しま子! しま子ってば!)
「・・・・・・・・・・・・」
(早くこの手を・・・・・・!)
「・・・・・・・・・・・・」
どんなにあたしが訴えても、しま子はまるで反応しなかった。
ひたすらあたしを、一途に見つめ続ける。
無言のまま静かに。
とても穏やかに。
そして・・・・・・
とても、愛しげに。
(・・・・・・しま子?)
その落ち着き払った澄んだ目を見て、あたしは気付いた。
しま子、あんた・・・・・・!
わざと浄火を怒らせたね!?
浄火に滅火の力を発動させるために、あたしを海に突き落とすフリしたんだ!
そうして悪者の自分を殺させて、浄火を英雄に祭り上げて・・・
あたし達の命を、なんとか救おうと・・・!
(しま子の、バカーーーーー!!)
大声を出そうとしたけれど、ノドが押されているからまるきり声が出なかった。
あたしはもう、死にもの狂いで両足をバタつかせる。


