神様修行はじめます! 其の四


「しま子はそんなつもりは・・・」


浄火に向かって叫んだその瞬間・・・・・・。


(・・・・・・うぐっ!?)


しま子がタイミング良く、あたしの襟首をつかむ手に軽く力を込めた。


ノドを押さえられて息が止まり、声が詰まる。


不意を突かれた苦しさに、あたしは顔を歪めた。


その苦痛の表情を見た浄火は、ますます誤解する。


見たこともない憤怒の表情になって、完全に取り乱してしまった。


「赤鬼! きさまあぁぁーーー!!」


炎がわずか一瞬で燃え上がるように、浄火の気の力が瞬く間に高まっていく。


無我夢中の、火事場の馬鹿力。


それが彼の体内の、天内の血を一気に凝縮させていくのが分かった。


逆にあたしの全身の血の気が引いていく。


・・・・・・ヤバイ! ヤバイヤバイヤバイ!


このままじゃ浄火の滅火の力が発動しちゃう!


ぶち切れた時の、天内の馬鹿力の恐ろしさはあたしが一番良く知っている。


本当に最悪の事態を招いてしまう!


(しま子、早くこの手を緩めて!)


ベチベチしま子の手を叩きまくって必死に訴える。


でもしま子は、全く力を緩めようとはしなかった。


黙ってあたしを見つめ続けるだけ。