神様修行はじめます! 其の四


こわごわと下を確認すれば、クラッと目まいがするほどの高さ。


当然、眼下には魔の海が広がっている。


強く吹き上げる風に身をさらされ、ぞわっと鳥肌が立った。


「おい! あの赤鬼、娘を海へ落すつもりだぞ!」


「しま子ー! おやめになってー!」


お岩さんや島民たちの間に一気に緊張が走った。


い、いや、大丈夫だよみんな。


まさかしま子が、本気であたしを落とすことなんて無いから。


これって、強情なあたしに対して強めな交渉に出ただけだよ。


・・・かなり効果的だけど!


でも、あたしは絶対にしま子を滅したりなんか・・・!


「やめろぉ赤鬼! 里緒を放せえぇ!」


我を忘れた浄火の叫び声が聞こえた。


島民に押さえつけられた体を懸命に捩りながら、血相変えて喚いている。


「今すぐ放せ! さもないと・・・オレがお前を滅するぞ!」


そのとんでもない言葉に、あたしはギョッと目を見開いた。


ちょ・・・・・・浄火!?


やめて! 違うの、勘違いしないで!