断固拒否するあたしの心境を、しま子は敏感に感じ取ったらしい。
説き伏せるような表情で、チラリと視線を動かした。
その視線の先には・・・・・・
血まみれの、今にも息絶えそうな主さんが。
このままでは主さんは助からない。
そうなってしまったら・・・事態は悪化の一路をたどるだろう。
一度命を奪ってしまえば、島民はきっと、タガを外す。
捕らわれたお岩さんも、よそ者として容赦なく処刑されてしまうかも。
あたし達を庇い続ける浄火だって、どんな目に遭わされるか。
あたしが、無責任にこの島へ来ることを提案したばかりに・・・。
自身を責める気持ちで頭の中が混乱してクラクラする。
・・・どうする? どうする? どうする?
もう時間は無い。このままでは確実に全滅だ。
あたしのせいだ。あたしのせいだ。全部あたしのせいなんだ!


