あたしは前方を睨みながら進み続ける。


両手の平に体重がかかって、石の固い角が強くめり込んだ。


足首の腫れもひどくなってきてる。


汗が噴き出て、息がひどく乱れて苦しい。


でもそれ以上に、締め付けられるように心が苦しくてたまらない。


しま子の・・・命がかかっているのに!


不安で不安で気が狂いそうだ!


目頭に汗と涙が溜まって滲みて、じわっと視界がぼやけた。


グスグス鼻を啜り、ハアッと大きく息を吐いて、再び前方を睨んで這いずり始める。


泣いてる場合か! そんなヒマも無い!


しま子、今行くよ! すぐに助けてあげるからね!


―― グイッ


突然わきの下をつかまれ、力任せにグッと上に持ち上げられた。


うわっ? と反射的にケガを庇って片足立ちする。


バランスを失ってフラフラしているところを、ひょいと背負われた。


「オレがお前を背負って行く」


「・・・・・・浄火?」