気を取り直したマンモスが再び足を振り下ろし始めた。
お岩さんもろとも、あたし達を踏み潰そうとする。
「お岩さん、あたしにかまわず逃げてえぇーーっ!!」
―― ビッシィーーーッ!
と、音が聞こえるほどの気合いで、お岩さんが右手人さし指をマンモスに向けた。
同時に彼女の胸と両頬が、素早くバルーンのように大きく膨らむ。
中の空気を全て吐き切り、彼女は絶叫した。
「おぉぉ座わぁぁりぃぃーーーーー!!!」
―― ピッキーーーン・・・!
マンモスの動きが、またピタリと停止した。
小さな両目がまん丸に見開かれ、「?、?」といった表情で固まっている。
なにが起こってるのか、わけわからん? といった様子。
「お座りぃぃぃーーーーー!!」
「?、?」
「お座り! お座りお座りお座り!」
「?、?、?」
「お座りお座り・・・・・・おらあぁぁ! 座れっつってんのよぉーーー!!」
「・・・・・・・・・・・・」
―― ぺたん
マンモスが、キョトンとした表情のままお尻を地面に下ろした。
―― シーーーン・・・
そのまま時間が停止したかのように、静寂があたりを包み込む。
・・・・・・・
か・・・・・・
勝ったあぁぁー!! お岩さんの迫力勝ちぃーーー!!
お岩さんってスゴ過ぎ! あなた最高! もう、愛してるー!


