「起こったとも。良く聞け。あれから島に、次々と神の能力に目覚める者が出てきたんだ」
「 ? ・・・なんだそりゃ?」
「この島での能力者はもう、お前ひとりじゃないってことだよ」
浄火があっけにとられて言葉を失った。
あたしもお岩さんも、思いもよらない話に顔を見合わせる。
・・・なにそれ? 常世島に、神の力を持つ者が次々と現れ始めた?
だって島には、長い歴史の中で一度も能力者は出てこなかったんでしょ?
浄火の存在は『天の奇跡だ』って、向こうで大フィーバーになったほどなのに。
それが、急に続出? ・・・信じられない。
「本当なんだよ、浄火」
「あれから次々と、いろんな種類の能力に目覚める者が出てきたんだ」
村人たちが口々に説明し始めた。
「島の者が全員、その能力を目の当たりにした。間違いない」
「おれたち島民も、やっと能力を持ち始めたんだよ!」
「これでみんなが救われる! 長く苦しい日々から解放される時が、ついに来たんだ!」
その興奮した嬉しそうな様子からして、嘘とは思えない。
じゃあこれは本当の話なんだ。
「その、力に目覚めた者たちは今どこにいる?」
焦った様子で浄火が聞いた。


