神様修行はじめます! 其の四


「嫁取り、おめでとうよ。なかなか良い娘だな」


「そうだろ? すげえ可愛いだろ?」


「ああ。顔の部品も体の凹凸も、自己主張が全然無くて実に謙虚そうだ」


ちょっと! それってつまり全体が地味でペッタンコって言いたいの!?


おま、それ完全にハラスメント発言だぞ!?


でも言ってることは事実なだけに、反論できないのが超悔しい!


「英雄様にふさわしい嫁だよ。なあ、みんな?」


戌亥の取り巻き連中が同意するように、揃ってヘラヘラと笑い声を立てた。


その笑い声と表情が、まあほんとに効果バツグンに人の神経を逆撫でするったら!


腹の奥がムーカーツークーわー!


「よせよ。オレは別に英雄じゃねえし」


「ああ、そうだな。お前が能力に目覚めた時は、みんな大騒ぎになってお前を英雄扱いしたけど・・・」


戌亥はこれまで以上に卑しい顔で笑った。


「まだ知らないんだろ? お前が島を出てからのことを」


「オレが島を出てから? ・・・おい、まさか島に何か起こったのか!?」


浄火が戌亥に勢いよく詰め寄った。


因業ババが、常世島を巻き込んで何かを企んでいるかもしれない。


それが心配で浄火は戻ってきたんだ。