神様修行はじめます! 其の四


「いよお、英雄様のお戻りか?」


村人たちの背後から、妙に嫌味くさい声が聞こえてきた。


誰? と見れば数人の男グループがこっちに向かって歩いて来る。


その中心人物の顔と雰囲気を見た途端、あたしはビビーッと嫌な予感が走った。


・・・・・・なんだぁ? こいつ。ニヤニヤ薄ら笑いなんか浮かべちゃって。


人を小ばかにしてる態度がアリアリじゃん。


お岩さんも一瞬で不愉快そうな表情になって、すかさずあたしと目で会話を交わした。


(こいつ、きっと嫌われ系ですわね?)


(うん。ご親切なくらい分かりやすく、敵キャラ臭漂ってる)


「無事のご帰還、まずはおめでとーさん」


嫌われ系キャラは、村人たちを横へ押し退けるように浄火の前に立つ。


そして威嚇するように大きく胸を張り、敵対ビームをビシバシ浴びせてきた。


「英雄様が戻ってくれて、嬉しいねえ。しかもあっちの嫁まで連れて来たって?」


嫁じゃないっつーの!


あんたに言われると、なぜか必要以上にイラつくんだけど!


あたしは思わず、こっちを見ているそいつを睨み返してしまった。


「ふうぅ~ん、これがあっちの嫁ねえ・・・。ふううぅぅ~~ん・・・」


・・・なにその『ふううぅぅ~~ん』って!


うわ、素敵にムカつくわこいつ!