「めでたい! いやあ、めでたい!」
「祝言はいつだ? 今夜か?」
「あんたも今日から島の仲間入りだよ! 仲良くしとくれよ!」
はーなーしーを、聞ーーいーーてーー。
おーーねーーがーーいーー!
「おい、里緒が驚いているだろ? みんなちょっと離れろよ」
浄火が笑いながらみんなを掻き分けた。
島の人たちもようやく興奮が静まったらしく、少し落ち着いてきてる。
ふう・・・助かった。揉みくちゃに潰されて折りたたまれるかと思った。
動物園の目玉展示物になった気分だよ。
「オレたち、これから長に会いに行くところなんだ。だからまた後でな」
「長に会いに?」
あたしは浄火の横でブンブンうなづいた。
うんうん。そうなのよ。
あたしはお嫁に来たんじゃないの。長に会って、人探しするために来たのよ。
「ああ、そうか。嫁入りの報告か!」
「うん、それはまず真っ先にやらなきゃならん事だからな」
「行って来い行って来い! 新婚さんたち!」
からかう声にワッと歓声があがって、みんな笑い出す。
だーかーらー・・・誤解なんだってばそれは!
自分たちが見たいものしか見えてないでしょ! あんたら全員!


