神様修行はじめます! 其の四


こっちを振り向いた女性の目が、お岩さんの姿に釘付けになった。


そのままピキーンと固まって、なんか・・・全身蒼白状態に陥っちゃってる。


「初めまして。わたくし、権田原ジュエルと申します」


「・・・・・・・・・・・・」


「あなたのご期待に添えず、申し訳ありませんわ。お恥ずかしながら普段着で来てしまいましたの」


―― がらがらがら・・・・・・


・・・って音が、女性の内部から聞こえた。


確かに、聞こえた。


・・・たぶん今、この人の中の大切な何かが、音をたてて崩壊したんだなー・・・。


お気の毒に・・・・・・。


他の島民たちも、お岩さんの姿を見ながら火がついたように騒ぎ出す。


「な、なんだ!? この、もんのすげえ恰好の女は何者なんだ!?」


「ひょっとしてこれが噂に聞く『異形のモノ』か!?」


「異・・・あ、あなた方、レディに対して失敬ですわよ!?」


「権田原、落ち着けって。おいみんな、こいつはあっちの一族の女当主だよ」


「女当主!? じゃあこれやっぱり人間か!? 人間なのか!?」


「でもあんまりだろこれ! ありえねえよ!」


「それはこっちのセリフですわ! このファッションを理解できないなど、あなた方は凡人の極みですわ!」