神様修行はじめます! 其の四


なぜ絹糸があんなに反対したのか、やっと意味が分かった気がした。


「心配ないさね。岩陰にでも隠れてじっとしてりゃ大丈夫さ」


主さんが慰めるように言うけど、安全な保障なんてどこにもない。


やっぱり見知らぬ場所に置き去りになんかしたくない。


でも・・・・・・。


お岩さんは何も口出しせずに、成り行きを見守っている。


そうだ。あたしがこの島へ来た目的は、お岩さんを救うためだ。


あたし自身が提案して、絹糸の反対を無理に押し切って。


しかもその絹糸が、手助けのために主さんまで寄こしてくれたのに・・・。


そのあたしがここでグズグスしているわけにはいかないよ。


「しま子・・・・・・」

「うああ~~・・・」


しま子の丸い大きなひとつ目と見つめ合う。


それだけでしま子はあたしの気持ちを分かってくれたようだった。


主さんに向かって熱心に何かを語りかけている。


「うあ~~、うああぁうぅ?」


「ああ、島の中へはあたしがついて行くから平気だよ」


「あ、あ、あううぅぅ~~?」


「そう心配おしでないよ。どうやらこの島には、たいした異形のモノもいないそうだしね」


「うぅーー・・・・・・」