神様修行はじめます! 其の四


―― ガパアァッ!


光の海から、大きな洞窟のような口腔が浮上した。


その口の中には数えきれないほどのヘビが飲み込まれている。


その巨大な口と牙の正体を知って、あたしのこめかみにビシッと筋が立った。


「ウぅーツぅーボぉぉぉーーー!」


まだしぶとく生きてたのかこんのやろー! お前か! お前が犯人か! 


船底のヘビを根こそぎ食って船を転覆させたね!?


どんだけ根暗でネチっこいの!? 因業ババの性格そっくり!


・・・ひょっとして親戚とか!? あれ、あんたの妹さん!?


激怒するあたしの足元の遥か真下、勝利を確信したウツボが悠々と漂っている。


そしてまるでこっちをバカにするかのような表情で、パカーッと大きな口を開けた。


それを見たあたしのこめかみが、プチィ! とキレる。


こ・・・こいつぅぅ・・・


あたしが落ちてくるのを、わざとらしく待ち構えてやがるなあぁぁー!?


「いい度胸してんじゃないの! あたしにケンカ売るなんざ!」


もうカンベンならん! バカにしくさりおってぇぇ!


魚類の分際で、炎を操るあたしを怒らせたことをミッチリ後悔してもらうよ!


「来い! 滅火の炎!」


あたしの頭にガッと血がのぼり、全身の血が沸騰するように熱く沸き立った。