これはもう、異形のモノ同士の戦いというより・・・
どっからどう見ても、ジュラ紀の恐竜同士の生存競争。
ジュラシックパークの続編にしか見えない。
『ギュアァァァーー!』
ウツボが狂ったように暴れ出した。
ヘビ少女の締め上げから逃れようと、めちゃくちゃに自分の胴体を甲板に叩き付けている。
―― ドーーン! バシーーン!
うわ、うわ、揺れる揺れる! 船が壊れる!
容赦ない破壊行為に、船上はボロボロに砕けていく。
激しく全身を床に叩き付けられて、ヘビ少女の顔が苦痛に歪んだ。
ウツボに巻き付く力が弱まり、徐々に締め上げが緩んでいく。
ああ・・・外れちゃう!
楽になったウツボが息を吹き返したように大きな気勢をあげた。
『ギュオオ! ギュアァァァーー!』
「うがああぁぁーーー!」
ウツボに対抗するような、勇ましい雄叫びが響いた。
降りそそぐ船の破片の嵐から、身を挺してあたしを守ってくれていたしま子の雄叫び。
しま子はドスドスとウツボに駆け寄り、両腕に余るほど太い青色の胴体を抑え込んだ。


