神様修行はじめます! 其の四


―― バキバキ! メキィィ・・・!


絶え間なく響く壮絶な破壊音。


床はあちこち噛み砕かれて大穴が開いていき、のたうつ巨大な胴はどんどん船体を破壊していく。


このままじゃ船が壊されてしまう!


しかもこの重量が好き勝手に跳ね回っているせいで、さっきから船のバランスが・・・!


船は波に翻弄される木の葉のように大きく上下左右に揺れていた。


こんな状態ではとても普通に立ってはいられない。


逃げ回りながら何度も尻もちを付き、ズズーッと滑り、転がってしまう。


マット運動みたいにゴロゴロ回転しながら、懸命に床にへばり付いた。


うわあ! う、海に落ちるぅー!


「里緒! 権田原! 絶対に海へ落ちるな! 落ちたら死ぬぞ!」


破壊音に混じって、どこからか浄火の叫び声が聞こえてくる。


落ちるつもりはさらさら無いけど、これじゃ振り落とされちゃうよお!


あたしはヤモリじゃないんだから、へばり付くにしたっておのずと限界があんのよ!


それにこのままじゃ、海に落ちる前にウツボに食われる! 


それかこの巨体に潰されて、ペラッペラに薄く押し伸ばされちゃう!


ディズニーアニメキャラじゃあるまいし、そんな姿になるのはゴメンだよおぉ!