神様修行はじめます! 其の四


「支配? 異形のモノが神器を動かしているの?」


「コイツは船に乗った人間の思考に同調するらしい。そうして目的地まで運んでくれるんだとさ」


「異形のモノが人間の命令をきいているってこと?」


そんなことってあるのかな?


門川の屋敷内の生き物みたく、人間の都合の良いように改良されているの?


しどけなく浄火の胸にもたれかかり、熱心に彼を見上げているヘビ女・・・というか、ヘビ少女。


その首には黒く太い首輪が嵌められていた。


表面に見える白い模様は、良く見ればビッチリ彫り刻まれた文字。


梵字? 漢字? その組み合わせみたいな。詳しくは分かんないけど。


きっとこの術具によって、人間に支配されているんだろう。


「・・・に、してもずいぶん懐いてるね。あんたに」


「そうなんだよ。最初に船に乗った時から、この調子なんだ」


ヘビ少女は白い頬をほんのり赤く染め、浄火をじっと見つめている。


そのウットリした表情は、懐いているというよりもむしろ。


「浄火に恋してるみたいなんだけど」


「バカ言うなよ。異形のモノが人間に恋なんかするわけねえだろ」


浄火は一笑に伏す。


んー。普通に考えればそれは確かにそうだけど、でも。


一途で切なげな、その視線。


熱のこもった態度と表情は、どうみても恋する初々しい少女そのものだ。


・・・下半身は爬虫類だけど。