今度こそ死ぬ! ・・・と、ギュッと目をつぶった瞬間、体がドスンと何かに受け止められた。
強い衝撃に、一瞬息が止まる。
・・・恐る恐る目を開けると・・・
「しま子っ!」
「うああぁぁ~~!」
帆の下で、あたしをしっかりと受け止めてくれたしま子の顔があった。
その心配そうな顔を見て、あたしはようやく本当に安心する。
張りつめていた気が抜けて泣きベソをかいてしまった。
「し、しま子ぉぉ! すっごく怖かったよおぉぉ!」
「う、うがあ! がああうぅぅ~~!」
もうやだ! なんかあたし、毎回空を飛ばされてる気がするんだけど!
本当に絹糸に飛空術かなんか習っとかないと、いつか絶対墜落死しちゃうよぉ!
しま子と抱き合いながらオイオイ大泣きしていると
「アマンダ! 大丈夫ですの!?」
「里緒! 無事か!?」
ふたりが大急ぎで駆け寄ってきてくれた。
「うん、大丈・・・」
と返事をしたあたしの目に不思議なものが見えて、ギョッと言葉を飲み込んだ。
人が・・・甲板を這っている・・・?
甲板の上を、長い黒髪を垂らした人間がズルズルと腹ばいで移動している。
手足を使う様子もなく、グネグネと蛇行しながら、あっという間にふたりの背後に近づいた。
そしてヘビが獲物に食らいつくかのごとく、素早く上体を起こして飛びかかってきた。


