何なの!? と思う間もなく、あたしの体がズルズル勢いよく引きずられる。
とっさに床に両手の爪を立てたけど、なんの抵抗にもならなかった。
そのまますごいスピードで船の端っこへと引っ張られていく。
なに!? なになになにーーー!?
引きずられながら足首を見ると、ぶっといロープのようなものが何重にもガッチリ絡まっていた。
良く見れば、ロープの表面にはウロコのような模様がビッチリと。
こ・・・このロープって、まさか・・・
「ヘビのしっぽぉぉ!? なんでえぇ!?」
「がああぁぁーー!」
駆け寄って来たしま子が素早くヘビの尾に飛び付き、捕まえた。
鬼の腕力で力任せに引き千切ろうとする。
巨大ニシキヘビの胴体のような太い尾が、しま子の手の中でグニョリとへこんだ。
苦しいのか、尾は猛烈な力であたしの足首をギリギリと締め上げはじめる。
その激痛に耐えきれず、あたしは悲鳴を上げた。
こ・・・こっちの足が千切られてしまうー!
しま子は慌てて、あたしの足首に巻き付いている尾にガブリと噛みついた。
二本のキバが容赦なくズブズブめり込んでいく。
と、尾がブウンッ! と大きく回転した。
たまらず振り飛ばされたしま子の体が、甲板の上をゴロゴロ転がっていく。
あたしの体は、まるで遊園地の遊具みたいに大きく振り回されてしまった。
ぎゃああぁぁぁーーー!?


