神様修行はじめます! 其の四


何なの!? と思う間もなく、あたしの体がズルズル勢いよく引きずられる。


とっさに床に両手の爪を立てたけど、なんの抵抗にもならなかった。


そのまますごいスピードで船の端っこへと引っ張られていく。


なに!? なになになにーーー!?


引きずられながら足首を見ると、ぶっといロープのようなものが何重にもガッチリ絡まっていた。


良く見れば、ロープの表面にはウロコのような模様がビッチリと。


こ・・・このロープって、まさか・・・


「ヘビのしっぽぉぉ!? なんでえぇ!?」

「がああぁぁーー!」


駆け寄って来たしま子が素早くヘビの尾に飛び付き、捕まえた。


鬼の腕力で力任せに引き千切ろうとする。


巨大ニシキヘビの胴体のような太い尾が、しま子の手の中でグニョリとへこんだ。


苦しいのか、尾は猛烈な力であたしの足首をギリギリと締め上げはじめる。


その激痛に耐えきれず、あたしは悲鳴を上げた。


こ・・・こっちの足が千切られてしまうー!


しま子は慌てて、あたしの足首に巻き付いている尾にガブリと噛みついた。


二本のキバが容赦なくズブズブめり込んでいく。


と、尾がブウンッ! と大きく回転した。


たまらず振り飛ばされたしま子の体が、甲板の上をゴロゴロ転がっていく。


あたしの体は、まるで遊園地の遊具みたいに大きく振り回されてしまった。


ぎゃああぁぁぁーーー!?