神様修行はじめます! 其の四


お岩さんも調子を合わせてくれたのか、明るい声で答えてくれた。


「わたくしも、海へは滅多に行く機会がありませんわ」


「今日は天気もいいし、きっと青々として綺麗だろうねー」


「・・・・・・青い?」


浄火が訝しげな声で聞き返してきた。


「青いって、何がだ?」

「何って、海の色がよ」

「はあ? 海の色が青い??」


浄火の不可解な反応に、あたしとお岩さんは顔を見合わせる。


・・・あたしなんか変なこと言ったっけ? 青いよね? 普通、海って。


「あ、天気が悪い日とかは、灰色とかになっちゃうけど」


「天気が悪いと色が変わる? なんだよそりゃ?」


「だから、太陽光の散乱が・・・って、あたしも詳しくは知らないけどさ」


「なんで空の天気と、陸の海の色と関係があるんだよ?」


「いやだから、あたしも詳しくは・・・」


―― ズルッ!


突然、あたしの足首になにかが強く巻き付いた感触がした。


それに気がつくのと、足を強く引っ張られるのと同時だった。


―― ドスンッ!


ひっくり返されるように派手にその場にスッ転んでしまう。


「いててっ!」


したたかに床板に全身を打ちつけ、あたしは顔をしかめた。