神様修行はじめます! 其の四


ふりしぼった勇気も虚しく、全身が石膏像のように硬直してしまう。


ひいぃぃ・・・。恐怖のあまりに白目剥いちゃう・・・。


腰から力が抜ける。後ろにバタンと引っくり返ってしまいそう。


「し、しま子。あたしが気を失ったら、後はよろしく・・・」


「うああ~~」


結局、情けないあたしを見かねたしま子が助けてくれた。


しま子の腕に抱きかかえられながら、ヘビのエスカレーターをのぼる。


両目をギュッと閉じて、下を見ないよう必死に努力した。


ヘビなんかいない。どこにもいない。一匹もいないったら、いない・・・。


・・・と自己暗示をかけつつ、やっとのことでお岩さんと浄火が待っている甲板に到着。


しま子の腕から降りながら、足元の木の感触に心底ホッとした。


よ、よかった。甲板は普通の板だ。ヘビじゃない。


でもこの板一枚の下は、大量のヘ・・・う、わ、忘れよう。


―― ズズゥゥ・・・


うわっ、船が動き出した!?


あたしが船に乗るのを待っていたかのように、いきなり船が振動し始める。


その大きな揺れに尻もちをつきそうになった。


見れば、周囲の景色がゆっくりと後方へ動いている。


宝船が地面の上を移動し始めているんだ。