「な・・・なんであんたもお岩さんも、こんなの見て平気でいられるのよ!?」


莫大な数のヘビが蠢いている光景を指さして、あたしは泣き叫ぶ。


うええぅ、ヘ、ヘビがグニョウニョ・・・


見てると意識が遠くなる。


口から魂が飛び出ちゃいそう・・・。


「わたくしは里山生まれの、里山育ちですもの。ヘビなんていくらでも室内に入り込みますわ」


「オレは島育ちだからな。よくウミヘビ捕獲して遊んでたし」


「ふたり共どんだけワイルド!?」


「ヘビは神の使いとして、非常に霊質の高い生き物ですのよ」


「けっこう賢いしな。友だちにもなれるよな」


「うちの里山のヘビは芸をしますのよ。お手とかお座りとか」


「ヘビのお座りって、なにそれ!?」


一瞬、ちょっとだけ見てみたいって好奇心が湧いちゃって、慌てて打ち消した。


ダメダメ、染まるなあたし!


「これだけ霊質の高いヘビが集まっているからこそ、あの海を渡ることが可能なんだろうな」


「さすがは神器ですわねぇ。たいしたものですわ」


目の前で交わされる、あまりにも平然とした会話・・・。


逆にこっちの感性の方が異常なのかと思えてきちゃう。


そのうちに、ヘビの集団の一部分が一斉に動き始めた。


何百といったヘビがグニョグニョと固まり、階段の形に変形する。