何百、何千、いや、これはもうひょっとしたら、何万!?


すさまじい数のヘビが寄り集まって、船底の形になっているんだ!


ヘ・・・へ・・・へび! 生ヘビの集合体!


いやあぁ! グロテスク最高潮!


ゆ、指で思いっきり触って確認しちゃったよおぉ!


「ぎゃあぁぁぁーーー!」


信じられない情景を前に、あたしはノドの奥から金切り声を出して飛びあがる。


そして反射的に、その場から一目散に逃げ出そうとした。


そこを浄火にグィッと首根っこをつかまれ、引き戻される。


「おいコラ、逃げんな里緒」


「ぎゃああ! うわあぁ! おええぇ!」


「こらこらこら、吐くなコラ」


「だってだってだってだって!」


あたしはジタバタ暴れながら、もう半泣きになって訴えた。


あたし、基本的に細くて長くてウニョウニョ系はダメなの!


生理的に受け付けないのよ!


しかもこの数は・・・想像を絶する反則技でしょう!?


精神崩壊! 許容範囲外! こんな船に乗るなんて・・・


「ぜったい、無理ーーー!」


「権田原を助けるんじゃないのかよ?」


「島へは自力で泳いでたどり着くから、あたしのことはどうぞ気にしないでー!」


「ムチャ言うなよ」