あたしの手の中で、絹糸が悲鳴のように叫んだ。
「みずから・・・傷付きに行くことなど無い!」
その叫びは悲痛の色が混じっていた。
絹糸は本気でお岩さんを心配している。
それほど、お岩さん達が兄弟である確率が濃厚だってことを、絹糸は知ってるってことだ。
だからこそ・・・・・・。
「行こうお岩さん。一緒に」
「小娘!?」「アマンダ!?」
「あたしは門川へは戻らない。お岩さんと島へ行くよ」
島へ行ったら・・・お岩さんは、望まない現実と向き合うことになるかもしれない。
欲しい答えが用意されている保証は、どこにもないから。
もし逃れられない現実と直面した時、その時こそ、あたしはお岩さんのそばにいたいんだ。
「お岩さんをひとりぼっちにしたくない。しない」
「わたくしはひとりで平気ですわよ!」
「お岩さんが平気でも、あたしが全然平気じゃない」
「アマンダ、勘違いをしてはだめ。あなたはわたくしの従者ではないのよ? あなたは永久様の・・・」
「うん。あたし、お岩さんの従者じゃないよ? 友だちだよ?」
「・・・・・・!」
「友だちだよ。しかも、すっげー大事な友だち。親友ってヤツ?」
「アマンダ・・・・・・」
「あれ? そう思ってるのって、あたしだけ?」


