神様修行はじめます! 其の四


あたしの手の中で、絹糸が悲鳴のように叫んだ。


「みずから・・・傷付きに行くことなど無い!」


その叫びは悲痛の色が混じっていた。


絹糸は本気でお岩さんを心配している。


それほど、お岩さん達が兄弟である確率が濃厚だってことを、絹糸は知ってるってことだ。


だからこそ・・・・・・。


「行こうお岩さん。一緒に」


「小娘!?」「アマンダ!?」


「あたしは門川へは戻らない。お岩さんと島へ行くよ」


島へ行ったら・・・お岩さんは、望まない現実と向き合うことになるかもしれない。


欲しい答えが用意されている保証は、どこにもないから。


もし逃れられない現実と直面した時、その時こそ、あたしはお岩さんのそばにいたいんだ。


「お岩さんをひとりぼっちにしたくない。しない」


「わたくしはひとりで平気ですわよ!」


「お岩さんが平気でも、あたしが全然平気じゃない」


「アマンダ、勘違いをしてはだめ。あなたはわたくしの従者ではないのよ? あなたは永久様の・・・」


「うん。あたし、お岩さんの従者じゃないよ? 友だちだよ?」


「・・・・・・!」


「友だちだよ。しかも、すっげー大事な友だち。親友ってヤツ?」


「アマンダ・・・・・・」


「あれ? そう思ってるのって、あたしだけ?」