神様修行はじめます! 其の四


「自分でも悩んでおるようじゃ。この激情は何なのか? と」


それは、そうだろう。


恋愛感情すら明確じゃない彼が、いきなり嫉妬なんて理解できないだろう。


「じゃからこそ、小娘を迎えに来たのじゃ。お前の手で永久の背中を押してやれ」


「絹糸・・・・・・」


「お前でなければならぬのじゃ。永久の心が芽吹くためには」


・・・門川君の心は揺れている。


浄火の存在がきっかけとなって、激しい化学反応を起こしている。


そこから・・・何かが生まれ、飛び出しかけているんだ。


あたしへと向かって。


そう思うと、指の先まで痺れるような甘い痛みが駆け抜ける。


あたしの頭と心の中が、門川君で一杯になってしまった。


いつも遠くを見ているような、メガネの奥の冷静なまなざし。


冷たい言葉を吐く時の、つれない態度。


照れて顔をそむける時に見える、ほんのり赤く染まる耳。


門川君、門川君、門川君・・・。