神様修行はじめます! 其の四


絹糸はいったん言葉を切り、噛んで含めるように言った。


「お前に会いたくてたまらないからじゃよ。永久は、どうしようもなくお前を欲しておるのじゃ」


―― ドキン・・・!


絹糸の言葉が、あたしの耳からダイレクトに心臓へ飛び込んだ。


あたしの胸を打ち鳴らし、熱いざわめきとなって全身に広がっていく。


門川君が・・・あたしに会いたくてたまらない?


心臓がトクトクと逸る音を聞きながら、あたしは真剣に耳を傾ける。


絹糸が話す、彼の様子に。


「かなり荒れておるわい。浄火が献上した手みやげの茶碗を、思い切り床に投げつけて叩き割りおったわ」


「・・・えぇぇ!? た、叩き割ったぁぁ!?」


そんなバカな!


あの冷静沈着な門川君がそんな乱暴なことをするなんて、たとえ目の前で見たって信じられないよ!


それじゃ、まんまお岩さんじゃんか!


そんなのぜーったいに、ありえない! 天変地異の前触れじゃないの!?


実は今、門川の地中深くで地殻変動でも起きてるとか!?


「浄火の存在に、無意識に嫉妬しておるのじゃよ」


「嫉・・・・・・」


門川君が・・・やきもちをやいてる・・・の・・・?