け、欠乏症? 彼、病気? 病気になっちゃったの!?
そうよ、門川君って仕事に夢中になると、食事を抜く悪いクセがあるんだ!
いつもなら、あたしが脅してでも強引に食べさせてるけど!
あぁ、どうしよう! あたしがいないもんだから思う存分、心ゆくまで絶食してるんだわ!
「なにが足りないの!? ビタミン!? ・・・まさかカルニチン欠乏症とか!?」
「お前じゃ」
「・・・・・・・・・・・・」
はい?
「・・・あたし?」
「ふむ。お前が足りておらぬ」
「・・・意味が、分かんない・・・」
「お前がそばにおらぬせいで、永久が完全に情緒不安定になっておる」
「・・・・・・・・・・・・」
思いもよらない返答の連続攻撃で、あたしは目を丸くするしかない。
なに? 門川君が、情緒不安定?
あたしが・・・いないせいで・・・?
「永久の体から、もう毎日、驚異的な冷気のダダもれ状態じゃ。おかげで門川は今、冬に逆戻りじゃわい」
「・・・・・・へ?」
「自分の感情が抑えきれぬのじゃよ。いま永久のそばにいられるのは凍雨だけじゃ」
「・・・・・・・・・・・・」
「あれでは氷血の小僧以外の者では、死んでしまうわい。小僧ですら泣きベソをかいておる始末じゃ」


