仲間には、素直に申し訳ないと思う。
でも、きっとみんななら分かってくれる。
みんなだって、お岩さんのためならあたしと同じ決断をするはずだよ。
だからあたしは行くよ。常世島へ。
「この単純頭めが! 我がなにゆえ、わざわざここへ来たのか考えもせんのか!?」
まるでエサをねだるヒナみたいに、ギャーギャー絹糸が叫ぶ。
「我はお前を迎えに来たのじゃ!」
予想外のその言葉に、あたしは面食らった。
だってあたしが門川にいたら色々と面倒な事態になるって、絹糸が言ってたんじゃん。
「なのに戻っちゃマズイでしょ?」
「事情が変わったのじゃ。実は永久が・・・」
「え!? なに!? 門川君がどうかしたの!?」
彼、なにかピンチな事に巻き込まれでもしたの!?
そういえば『事情が複雑になってきた』とか言ってたっけ!?
「まさか門川君の身に何かあったの!?」
「あちらでも微妙な空気が漂い始めておる。おそらく、信子がらみであろう。だがそれよりも・・・」
「それよりも、なに!?」
「永久が、欠乏症じゃ」
「・・・・・・は!?」


