神様修行はじめます! 其の四


仲間には、素直に申し訳ないと思う。


でも、きっとみんななら分かってくれる。


みんなだって、お岩さんのためならあたしと同じ決断をするはずだよ。


だからあたしは行くよ。常世島へ。



「この単純頭めが! 我がなにゆえ、わざわざここへ来たのか考えもせんのか!?」


まるでエサをねだるヒナみたいに、ギャーギャー絹糸が叫ぶ。


「我はお前を迎えに来たのじゃ!」


予想外のその言葉に、あたしは面食らった。


だってあたしが門川にいたら色々と面倒な事態になるって、絹糸が言ってたんじゃん。


「なのに戻っちゃマズイでしょ?」


「事情が変わったのじゃ。実は永久が・・・」


「え!? なに!? 門川君がどうかしたの!?」


彼、なにかピンチな事に巻き込まれでもしたの!?


そういえば『事情が複雑になってきた』とか言ってたっけ!?


「まさか門川君の身に何かあったの!?」


「あちらでも微妙な空気が漂い始めておる。おそらく、信子がらみであろう。だがそれよりも・・・」


「それよりも、なに!?」


「永久が、欠乏症じゃ」


「・・・・・・は!?」