真っ直ぐで貫くような視線。偽りも裏表も無い、正直な言葉。
浄火はいつだって一途なんだ。だからどうしてもその言動を憎めない。
「・・・分かった。あたしも行くから」
「アマンダ!?」
「小娘!?」
「だって最初からそのつもりだったんだもん。なんの問題もないよ」
「ありますわよ! この男はあなたを島へ連れ去って、そのまま結婚するつもりですわ!」
「その通りじゃ! そんな計略にむざむざと・・・!」
「島へ行くことと、結婚することは別だもん」
「そんな理屈が通じると思うか!? この男の裏には、あの信子がおるのじゃぞ!?」
お岩さんの言葉にも、絹糸の言葉にも、あたしは耳を貸さない。
「因業ババの計略よりも、あたしにとっていま一番大事なのはお岩さんだよ」
冷静に考えれば、島へは行かない方が得策なんだろう。
ババが張り巡らしたクモの糸に、みずから飛び込むことになるのかもしれない。
でも、それが分かっていても・・・。
あたしはどんな手を使っても、お岩さんを助けたいんだ。


