神様修行はじめます! 其の四


「あのなぁ、船を手に入れるまではいいとして・・・」


「ちっとも良くないわい!」


「その後は? どうやって船を動かすつもりだよ?」


・・・・・・へ?


どうやって、船を動かす・・・・・・?



浄火に言われて、ハタと気がついた。


そ、そうか。動かさなきゃ動いてくれないんだ。船って。


当然ながらあたし、船を動かした事なんて一度も無い。



「・・・ど、どうしよう」


「ほれ、どうもならぬじゃろうが。諦めろ」


「もういっそ、乗組員ごとハイジャックするしかないよね?」


「どこまでお前は犯罪者の道を突き進むつもりじゃ!」


「心配いらねえよ。オレがいる」


浄火がニヤリと自信満々に笑った。


「乗ってみて分かったが、あの船は特殊なんだ。島出身のオレが乗れば、勝手に島まで運んでくれるはずさ」


「・・・・・・ほんと!?」


「ああ。経験者を信じろ」



得意気な浄火の表情に、あたしはすっかり有頂天になった。


ああ、浄火がいてくれて本当に良かった! これも天の采配!?


ほら、やっぱり島へ行くのは天命なんだよ!



「ありがとう浄火・・・・・・」


「ただし、ひとつ条件がある」


浄火が人さし指をピンと立てて、あたしの言葉を遮った。


「里緒も一緒に島までついて来ること。でなきゃオレは船に乗らねえ」