神様修行はじめます! 其の四


「は、鼻に穴が開いたらどうすんのよ!」


「穴なら最初からふたつも開いとるじゃろうが! お前はどういう了見なのじゃ!」


「なによ! なんの文句があるってのよ!」


「お前の脳みそは、スポンジ状にスカスカか! そもそもなぜ自分が権田原へ来たのか、もう忘れたか!」



・・・・・・・・・・・・。


あ。


そ、そういえばあたしって・・・。


常世島へ連れ込まれないために、仲間が知恵を絞って権田原へ避難させてくれたんだっけ。


・・・・・・あー・・・・・・。



「アマンダ。ありがとう。あなたの気持ちはとても嬉しいですわ」


お岩さんの穏やかな声に、あたしはぎこちなく顔を向ける。


いくぶん元気を取り戻したような表情で、お岩さんは明るく言った。


「心配は無用ですわ。島へはわたくしがひとりで行きます」


「そんな、お岩さん!」


「こりゃ岩! お前まで何を言い出すか!」


「わたくしだって真実を知りたい。知る権利がありますわ」


「じゃからといって、長老の船を当主が盗むなどと・・・!」


「わたくしと結婚したいなら、船くらい結納品として寄こせと言ってやりますわ」


「おいちょっと待てよ。お前ら肝心のことが抜けてるぞ?」


浄火が話に割り込んできた。