神様修行はじめます! 其の四


脳裏に、金銀珊瑚で飾られた、あの豪奢な宝船が浮かんだ。


セバスチャンさんでさえ舌を巻いた、ウルトラ格式の高い船。


あの船で浄火が実際に海を渡って来た・・・?


ら・・・・・・


「ラッキーーーーー!!」


あたしはピョンと飛び跳ね、ガシガシ両手を振り上げて勝利のガッツポーズをした。


「らっきー、ではないわ! このバカ娘が!」


頭上から絹糸の声がする。


手の中に握られたウグイスが目を白黒させて、逆さま状態で怒っている。


「心臓が止まってしまうわ! やめい!」


「あ、ご、ごめん。つい嬉しくてさ」


だって、これで島へ渡れるじゃん!


産婆さんに会って話を聞けるじゃん! ほんとラッキーだよ!


あの子作りマシーンにはムカッ腹が立つけど、あの船で来たことだけは評価してやろう。


きっとこれもめぐり合わせってヤツだよねぇ。うん!



「お気楽に喜んでおるようじゃが、どうやってあの船を手に入れるつもりじゃ?」


ニコニコ顔のあたしとは対照的に、絹糸はすこぶる機嫌が悪そうだ。


「まさか長老が、あれほどの貴重品を貸し出すわけがなかろう」


「そんなの分かってるよ。ブン盗りゃいいじゃん」


「こりゃ小娘!」


「だってあの船でなきゃ行けないんでしょ? ならどんな手を使ってでも入手しなきゃ」