神様修行はじめます! 其の四


「ならなにか方法があるんじゃないの?」


「方法が無い、とは誰も言うておらぬ。行った者がいる以上は、その方法が当然ある」


「ほらあ! やっぱりあるんじゃん!」


「あの海を渡るには、海の狂いを無効化する特別な船が必要なんじゃよ」


「船?」



まあ、島へ行くんだから、妥当に考えて移動手段は船だよね?


その船に乗りさえすれば万事解決ってことかい?


別に難しいことはなにもないじゃん。



「じゃ、どっかでレンタルしてこようよ。その船」


「お前は相変わらず、単純な造りの脳みそをしておるのぅ」


絹糸が、わざとらしく深ぁ~い溜め息を吐いた。



「羨ましゅうて涙が出てくるわい」


「間違ってもホメ言葉じゃないんですけど。それ」


「狂った時空間を、物ともせずに突き進める船じゃぞ? どれほど価値ある船と思うておるか」


「知らない。どれほど価値があんの?」


「分かりやすく言えば、神器のようなものじゃ」