神様修行はじめます! 其の四


でもそんな風に優しくされればされるほど、自分自身が情けなくなる。


里の人たちに感謝するほどに、自分の不甲斐なさが悲しくて・・・。


迷惑をかけたくなくて、里を出たのかもしれない。



・・・・・・『普通』 か。


『普通』って、いったい何なんだろうね。


こっちの世界では神の能力は普通のことだけど。


現世の世界では、そんな能力持っているのがバレようもんなら・・・。


考えただけで恐ろしい結果になる。


『普通』なんて、住んでる場所ひとつで180度変わっちゃうもんなんだ。



「常世島へ行ったとなれば、話を聞くことは不可能じゃな。諦めるよりほかにあるまい」


「ちょっと絹糸、そんな簡単に断言しないでよ」


何度も言う通り、お岩さんの人生がかかってるんだからね。


絹糸がなんと言おうが、あたしはとことんまで足掻きまくってやる。


得意だもんあたし。そーゆー人に嫌がられそうな悪あがきって。



「だいたい、何がそんなに不可能なのよ?」


そういえば、島への出入りの方法が厄介だとか聞いた気がするけど。


なにが厄介なの? 断崖絶壁に囲まれてるとか?


だったら絹糸がバビューンってひとっ飛びしてくれればいいじゃん。