神様修行はじめます! 其の四


「浄火、あんた見た目と違ってキレるじゃん!」


「だろー? オレは頼りがいのある男なんだよ。だから安心して嫁に来い!」


「なに調子に乗ってんのよ。それは嫌」


「それはダメですわ」


「だよねー、お岩さん」


「そうではなくて・・・産婆の件がダメなのですわ」


「え?」


みんなが揃ってお岩さんに注目した。


せっかく明るい表情になりかけていたお岩さんが、ガックリとうな垂れてしまっている。


「ダメって・・・なんで?」


「産婆がいないのですわ」


「権田原に産婆さんはいないってこと?」


「そうではなくて、当時の産婆が、この里から出て行ってしまったのです」


「出て行ったって、どこへ? そこに訪ねて行けばいいだけじゃん」


「・・・・・・・・・・・・」


お岩さんは一瞬口ごもり、目を伏せながら答えた。


「常世(とこよ)島ですわ」


「えっ!?」


また意外な言葉に、あたしは面食らってしまった。


常世島に行った? じゃあ、その産婆さんってもしかして・・・。


「そうですわ。神の一族の能力を持たずに生まれた者だったのですわ」