神様修行はじめます! 其の四


「絹糸ってば、猫のくせしてあーんなカラスの小ジワにビビッてんの!?」


「そーですよ! 猫のプライドはどこ行ったんですか!?」


「うああ! うあ~~~!」


「ええい、デカイ連中が取り囲んで見下ろすでないわ! うっとうしい!」



ぶわっと毛を逆立てて一喝した後、絹糸はムスッとした声で説明した。


「あの女、何やらまた企んでおるぞ。手始めに、また小娘に狙いをつけたのじゃろう」



・・・またあたしがターゲット!? どんだけネチッこいの!?


あーやだやだ! 女もあんなになったらお終いだね!



「仮にお前が逃げたとしても、そんなことはあの女なら予想のうちじゃ」


「お見通しってこと?」


「お前が逃げた場合の、お次の罠も、すでに準備万端であろうよ」



確かに・・・・・・。


前回の戦いで、因業ババの罠は完璧だった。


四方八方に張り巡らされた、見えない蜘蛛の糸みたいに。


こっちがもがけばもがくほど、糸が手足に絡まるように計画されていた。


となれば、きっと今回も・・・・・・。



「逃げれば、おそらく余計に罠の糸に絡まることになるであろうよ」



・・・・・・・・・・・・。


ほんっとムカつくあのババーー!!


絶っっ対に、お姑さんにしたくない相手!



「冷蔵庫の中の卵の賞味期限まで、いちいちチェックして文句つけるタイプよ!」


「ただの嫁姑争いなら、賞味期限の切れた納豆でも食わせておけば済むがのぉ」