「ばかやろー! アホやろー! 冷血漢! 外ヅラ男! 二重人格者!」
―― バリーン バリーン!
もう、割りたい放題、言いたい放題、荒れ放題の絶好調。
まさにノンストップ状態だ。
あ、あのぉ、お岩さん。
実はその二重人格者が、ここにいて全部聞いてるんですけど・・・。
「遥峰の顔だけ野郎ー! 女たらし野郎ー!」
「だれが女たらしだよ・・・」
セバスチャンさんがボソッと剣呑につぶやいた。
「遥峰めぇぇー! お前、いっぺん死ねー!」
「だから、もうすでに一回死んでるだろうが。オレは・・・」
お岩さんてばもう、怖いもん無しだ。そろそろ待ったをかけないと。
さすがにセバスチャンさんも聞いてて良い気分じゃなさそうだし。
このままじゃ、どんどん二人の間の摩擦熱が高くなるばかりだ。
声をかけて気付かせよう。
「あのぉー、お岩さ・・・・・・」
「それでも・・・・・・」
―― ガッシャーーン!
お岩さんは厚手のお皿を一気に五枚ほど持ち上げ、ぶうんっと勢いをつけて放り投げた。
ひときわ大きな破壊音が鳴り響く。
そして息を荒げて、彼女は大声で叫んだ。
「それでも・・・それでもあたしは、あんたの事が本気で好きなんだーーー!!」


