あたしとお岩さんのすすり泣く音が続く。
拭いても拭いても、流れ落ちる涙が止まらない。
「ジュエル様、皆様。失礼いたします」
その時、障子の向こうから声が聞こえてきた。
障子が開いて、セバスチャンさんが頭を下げる。
「ジュエル様、お客様をご案内いたしました」
セバスチャンさんの隣に座っている人の顔を見て、あたしは驚いた。
この人、子作りマシーンじじぃの息子だ。えっと、成重っていったっけ?
どうしてここに?
「お岩殿、お初にお目にかかります。私は・・・」
成重さんの挨拶を、お岩さんは最後まで聞かなかった。
おもむろに目の前の押し入れの戸を開け、中に入り込む。
そしてピシャンッ! と勢い良く戸を閉めて閉じこもってしまった。
・・・完璧な拒絶の意思表示。取りつく島も無し。
成重さんは、まさかこうまでロコツに拒絶されるとは思っていなかったんだろう。
困った顔でその場に座り込んでいる。
「おい権田原、そんなガキみたいな態度をとるなよ」
浄火が押し入れに向かって、なだめるように声をかけたけど応答無し。
それも無理もない。というより当然だ。
息子に罪はないけれど、あのじじぃの息子とは、そりゃ顔を会わせたくないさ。
だってあえて言うなら敵側じゃん。
あたしだって正直、この人がここにいて良い気分はしない。


