神様修行はじめます! 其の四


あちこち枝分かれしている暗い迷路を、ひとりで右へ左へウロウロする。


もう! あたしったら何やってんの!


こんな所でマゴマゴしている場合じゃないってのに!



やっとのことで部屋へ戻れた時には、もうだいぶ時間が過ぎてしまっていた。


掛け軸の入り口から、息せき切って転がるように室内へ飛び込む。


「お、お岩さん!」



中にいた浄火としま子が、揃ってこっちを振り向いた。


浄火は気まずそうな顔で、腕組みしながらあぐらをかいて座っている。


詳しい事情がまったく分からないしま子は、オロオロとあたしに救いを求めていた。


そして、お岩さんは・・・・・・



壁の押し入れのふすまに向かって、ヒザを抱えて座り込んでいる。


・・・・・・泣きながら。



こちらに向けている丸い背中が、とても哀しくて。


押し殺した泣き声が、すごく辛くて。


もう、あたしも我慢の限界で・・・。


成すすべも無く立ち尽くしたまま、一緒になって泣いてしまった。



こんなのって、ないよ。


ひどい。ひどすぎる。あんまりだ。


なんでお岩さんもあたしも、こんな目にあわなきゃなんないの?



本人の意思なんて、まったくおかまいなし。


なんの了承も無く、勝手に誰かの奥さんにされてしまうなんて。


こんな理不尽なことが許されてもいいの? ・・・いいわけないよ!


いつもいつもいつも、当然のようにあいつらは女を道具扱いするんだ!