神様修行はじめます! 其の四


「すでに届け出を上層部に提出なされたと・・・!?」


さすがのセバスチャンさんも動揺を隠しきれない。


身を乗り出して長老に詰め寄る姿は、これまで見たことがないほど狼狽していた。


お岩さんなんて、もう顔面蒼白だ。


完全に顔から血の気が引いてしまっている。


あたしも、あまりの事態に頭がクラクラして倒れそうだった。



・・・上層部なんて、しょせんは長老の言いなり。


大物が希望する申請が通らないはずもない。


このじーさんが提出した時点で、申し出は受理されてしまったとみていいだろう。


あぁ・・・つまり、つまり・・・・・・



お岩さんは、もうこのジジィの・・・奥さんにされてしまった・・・・・・!



お岩さんがガバッと身を翻し、バタバタと四つん這いでこの場から逃げ出した。


(あ、おい権田原! 待て、落ち着け!)


浄火が急いでその後を追いかける。


あたしもフラつく頭を抱え、お岩さんの後を追いかけた。


ペタペタと天井板を這う手足に、汗がジットリと滲んで震えている。


どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・!


今にも泣きそうなあたしの耳に、じじぃの声が下から聞こえてきた。



「おや? どうやら天井裏に、大きなネズミがいるようじゃのぉ」


・・・・・・・・・・・・!


「大事な屋台骨を齧られては、大変じゃ。そうなる前に、害獣はすみやかに駆除せねばのぉ」


ふぉ、ふぉ、ふぉ・・・。


小馬鹿にするような笑い声。


・・・・・・・・・・・・。


最初っから気付いてやがったな!? この子作りマシーンじじぃがぁぁーー!!



あたしは髪の毛が逆立つほどの怒りを必死に押さえながら、とにかく急いでお岩さんの後を追った。