浄火に押さえつけられた体をジタバタさせつつ、あたしは心の中で罵倒した。
だいたいこのじーさん、さっきからずっとセキばかりしてるくせに!
結婚がどうこう以前の問題で、まずは自分の体調管理が先でしょう!?
嫁なんざもらってる場合か!
そんなに具合が悪いんじゃ、すぐにポックリ・・・!
・・・・・・・・・・・・!
その時あたしの脳裏に、衝撃的に記憶がよみがえった。
(あ、あ・・・・・・)
(里緒? どうした?)
(あの長老・・・あたし、知ってる・・・)
知ってる。会ったことある。
しつこく耳障りな、あのセキの音に覚えがある。
前回の雛型の事件の時・・・。
権田原の山中から連れ去られた場所で。
あたしを次の雛型にしようと企んだ、因業ババと初めて会った。
あの、御簾に隠れた向こう側に・・・。
ババの隣に座っていた人物が、やたらとセキをしていなかったか?
小柄で、背中が丸まった、小太りな、大物らしき長老が・・・。
・・・・・・・・・・・・。
(あいつぅぅーーーーー!!)
このじじぃ、因業ババの仲間だ!
ババとペア組んで、あたしの次に権田原を潰しにきたんだなーーー!?


