神様修行はじめます! 其の四


権田原は権力はないけれど、食糧という大きな武器を持っている。


門川君にとっても、力になってくれる大切な一族だ。


その力をもぎ取りたい。門川君を弱体化させて、一族を自分の手中にしたい。


でも権田原はしぶとく、強固な結束をもつ一族。


それにセバスチャンさんという、一筋縄ではいかない男が、しっかりと里を守っている。



だから内部から攻めるつもりだ。


自分の言いなりになる息子を一族の重要な地位に就け、内側から崩していくつもりなんだ。



・・・腹の底から、ふつふつと怒りが沸いてきた。


また、その手を使うつもりか。


自分の権力を思うさま悪用して、無力な者を道具のように利用する。


自分以外の人間の人生なんて、たとえそれが息子であっても知らぬ存ぜぬ、どーでもいい。



そのせいで、今までどれほどの人間が犠牲になって死んでいったことか!


お岩さんだって、そのせいで父親を失い、人生も狂わされたのに!


これ以上、まだ彼女から利益を搾り取ろうってわけ!?


そんなの絶対に許さないからね! 子作りマシーンめ!



「お申し出、恐懼感激。身に余る光栄なお話に心より御礼申し上げます」


セバスチャンさんが深く平伏して、礼を述べた。


「しかし、畏れ多くも長老様のご子息を迎えるなど、一族の格が許しません」


セバスチャンは謙虚に、でもしっかりと拒絶の意思を表す。



「わが一族が長老様のお顔に泥を塗ったとあっては、先祖代々の当主に顔向けができません」


「いやいや、こちらが望んでいることじゃ」


「いえ、あまりに分不相応。成重様のお格にも、差し障りがございます」