神様修行はじめます! 其の四


「もちろん覚えておりますとも。成重(なりしげ)様」


セバスチャンさんが深く頭を下げ、挨拶をする。


成重と呼ばれた人は、それを見て嬉しそうに微笑んだ。



「この成重は、わしの十四番めの息子での。そなたと旧知と聞いて、見舞いに同席させたのじゃ」


「再会できて嬉しいよ、遥峰君」


「はい。お懐かしゅうございます」



じゅ・・・・・・十四番めぇ!?


なんつー肉食系男子! どんだけ産ませまくったの? このおじいちゃん!



い、いや待て。確か昔の日本には、これを凌駕する男がいたはず。


徳川11代将軍、家斉(いえなり)


側室に産ませた子どもの数、なんと50人以上。


マシーンだよ。ここまで人間離れしちゃうと、もう。


さすがにそれには遠く及ばないけど、このおじいちゃん長老も、そういう意味では大物かも。


それが役に立つ能力かどうかは疑問だけど。



・・・それにしても・・・。


この長老が、あたしにどんな用があって来たんだろう。


こんな穏やかそうな顔をして、どんな無理難題をふっかけてくるつもりなんだろうか。



「ときに・・・」


セキをしながら、長老がセバスチャンさんに切り出した。


あたしは、にわかに緊張する。



「ときに権田原の当主は、結婚の相手を探しているようじゃが?」


「さようでございます」


「まだ決まってはおらぬようじゃの?」


「はい。なかなか話がまとまらず・・・」


「ふむ。そこでじゃ、どうであろう? わが一族と婚儀を結ばぬか?」



セバスチャンさんが、思わず伏せていた頭を上げて長老を見た。